ChatGPTに古文と現代文を相互変換して貰った結果

2023-03-01ChatGPT 言葉・文章,ChatGPT

ChatGPTに古文と現代文を相互変換して貰った結果

OpenAIの対話型AIモデル「ChatGPT」の日本語での文章力を検証・記録をしています。
今回は古文を現代文に、古文を現代文にと、相互変換して貰いました。

確認環境
  • ChatGPT PLUS

変換して貰う前に

最初に軽く試してみたところ、そもそも論として、私本体に古文、古典文学について知識が無さ過ぎて、正しいのか正しくないのかの判断が難しいのは当然です。

それよりも、単純に「古文にして下さい。」とお願いしても、やはり毎回違った結果になりますので、まずはどの時代の古文に近づけるのか確認する必要がありました。

ここはChatGPTとGoogle先生に相談しながら決めていく事にしました。

日本での古文について時代別に教えて下さい。

古文は時代別に文体や文法が変化していくため、以下に日本での古文の時代別の特徴を簡単にまとめてみました。

【奈良時代(710年〜794年)】
奈良時代の文学は、大和朝廷による中国文化の受容・導入の時代として知られています。この時代には、漢字の導入に伴い、日本でも漢文が用いられるようになりました。また、日本の最初の文学作品ともいわれる「万葉集」が編纂された時期でもあります。

【平安時代(794年〜1185年)】
平安時代は、日本文学の黄金時代といわれる時代です。この時代には、仏教が広まり、漢詩や漢文学習が盛んになりました。また、この時代には、「古今和歌集」や「源氏物語」など、日本文学の古典とされる作品が生まれました。

【鎌倉時代(1185年〜1333年)】
鎌倉時代は、武家の台頭や、日本文化の民衆化が進んだ時代です。この時代には、歌物語や説話が広まり、日本文学における物語文学の基盤が形成されました。また、この時代には、「平家物語」や「竹取物語」などの古典的な物語が生まれました。

【室町時代(1336年〜1573年)】
室町時代には、南北朝時代の混乱から一応の安定が訪れ、日本文学は繁栄を迎えました。この時代には、現代の日本語に近い形に近づいた中古日本語が使用されるようになりました。また、この時代には、「太平記」や「能」などの古典的な文学作品が生まれました。

以上が、日本での古文の時代別の特徴です。ただし、これらはあくまで一般的な特徴であり、時代によっては複数の文体や文語が存在したり、例外的な文学作品が生まれることもあります。

なるほど、日本古典文学を学ぶ場合、どの時代の古文が基礎とされていますか?

本古典文学を学ぶ場合、基礎となる古文は平安時代のものです。

平安時代には、日本の文学が独自の発展を遂げ、多くの傑作が生まれました。例えば、「源氏物語」や「枕草子」といった物語文学、また、「古今和歌集」や「新古今和歌集」といった和歌集などがあります。

これらの文学作品は、当時の貴族たちが愛好し、複数の作者が寄稿するという特徴を持っています。また、平安時代の文学作品は、日本の風土や風習を描写しており、日本文化の根源を知る上でも重要な資料となっています。

平安時代の文学作品は、日本古典文学の基礎的なものとして学ぶだけでなく、日本文学史や文化史を理解する上でも欠かせないものです。

という訳で、平安時代のものに決定です。
細かな情報源はWikipediaからだろうか、ChatGPT使いましたけど、Wikipediaにまとめてくれた方々に感謝します。

というかGoogle先生では、古文、古典文学など色々なパターンで検索してみました、ネットスクールや書籍の紹介・宣伝で埋め尽くされていて何もわからなかった。
そんなんじゃ、もう先生なんて呼んであげないぞっ☆

古文を現代文に変換して貰った結果

以下はAI「ChatGPT」「源氏物語」の原文の一部を現代文に変換して貰いました。

以下の文章を現代文に変換して下さい。

いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。

はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉みたまふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせたまはず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。

いつの時代だったか、女性たちは多くの侍女たちを引き連れて暮らしていた。普段は何も問題がなくても、非常な事態が起こったときには、身に覚えのない者を激しく非難したり、特別優れた才能を持つ者を妬んだりすることがあった。

私自身、最初から上流階級の女性たちに憧れを抱いていたが、彼女たちが持つ魅力に圧倒され、羨望を覚えるようになってしまった。同様に、下級の侍女たちも、生活が苦しく、朝から晩まで宮廷の仕事に従事しているにもかかわらず、人々の心を揺さぶり、恨みを買ってしまうことがあった。彼女たちも非常に熱心で、不安を感じながらも、優れたものに対する敬意を忘れなかった。これは、その時代の社会を示す興味深い事例であり、人々が学ぶべき、素晴らしいおもてなしの方法でもあった。

なるほど、正しいかどうかは別として理解できる文章になって返ってきました。

とはいえ、ChatGPTは回答に大きな揺らぎがパラメータとして存在するため、毎回同じ回答とは限りません。
ですので、何度か現代文への変換をお願いしてみました。

いつの時代であったか、女官たちは多くの衣装を身にまとい、様々な状況に直面していた。些細な問題であれば問題なかったが、とても重要な局面に直面すると、優れた才能を発揮することがあった。

初めから自分たちに立場があると思い上がっている貴族たちは、優れた女官に嫉妬していた。同様に、下層の女官たちも不幸だった。朝夕、宮廷の仕事についているにもかかわらず、人々の心を動かし、恨みを負ってしまうことがあった。だんだんと心が壊れ、自信を失い、心細くなっていった。それは、世間にとっても教訓になるような、立派なおもてなしの例ではないだろうか。

ある時代に、女官たちは多数仕えており、中には困難な状況に陥ることもあったが、非常に優れた才能を持った者もいた。

私自身、最初から高い地位にいた貴族の方々は、優れた能力を持った者を妬んでいた。同様に、下級の女官たちも幸せではなかった。朝夕、宮廷で仕えることになっても、人々の心を揺るがし、恨みを買うこともあった。彼女たちは非常に熱心で、孤独を感じることもありました。しかし、それは本来、人々に感動を与えるものであり、世に残るべきもてなしの形だと思われます。

うーん、随分文章は違いますけど、内容は同じような感じにまとまっているのですかね。
文学を学ぶ人たちから見てどうなのだろう、これくらいは解釈の違いの範疇なのでしょうか。

いずれも、どこかのサイトからの丸パクリではないかと心配して探してみましたが、似た文章は全く見つかりませんでしたので、ChatGPTが把握している古文の知識から現代文に直しているものと思われます。

現代文を古文に変換して貰った結果

最初は、適当に考えた文章を古文に変換して貰おうとチャレンジしていましたが、そもそも変換後の文章が古文と呼べるものなのか判断が付きませんでしたので、上記の現代文に変換して貰った「源氏物語」の一節を、再度古文に変換して貰う事にしました。

以下の現代文を古文に変換して下さい。

いつの時代だったか、女性たちは多くの侍女たちを引き連れて暮らしていた。普段は何も問題がなくても、非常な事態が起こったときには、身に覚えのない者を激しく非難したり、特別優れた才能を持つ者を妬んだりすることがあった。

何時の世に及び、女性たちは多くの侍女たちを従えて暮らしておりけり。常日頃は何等の問題もあらざれども、非常な事態が生じた時には、己が知らぬ者を激しく非難したり、特別に優れた才能を持つ者を妬んだりすることがあったりける。

条件を変えながら何度か挑戦しましたが、原文に近い文章に変換する事は出来ませんでした。
古文って入れると結構な確率で「朕」「候」を連発しますので、禁止語句だと伝えても使ってしまうあたり、限界があるのかも知れません。

そもそも、AIの性能云々より「古文を現代文に訳す」のはわかるけど、「現代文を古文にする」という事が必要な授業や状況があるのか知りたい。

需要が無くとも、いずれは完璧にやってのけるAIさんが誕生するのでしょうね。

いやはや、古文や昔の現代文(昔の現代文ってなんだよ)の作品の雰囲気は好きだけど、雰囲気が好きなだけで無学な私が、よもや源氏物語の原文にまで目を通して、近い文章があるか必死に探す日が来るとは思いませんでした。