ChatGPTをMicrosoft Bingに統合?著作権の問題や誤情報は?
昨年公開されたテキスト対話型AI「ChatGPT」をMicrosoft製の検索エンジン「Bing」に機能として統合するという話が出ています。
実際に、実装されるかどうかについては、あくまでオモチャ的な機能としてなら受け入れられるかもしれませんが、個人的には今のAIの仕組みでは難しいものがあるのではないかと考えています。
最近「ChatGPT」が凄い!みたいな動画タイトルなどを見かけるようになりましたが、天邪鬼的な視点の記事になっていますのでご了承ください。
とはいえ、「ChatGPT」は個人で遊べるAIとしては高性能で、十二分にAIの進化を体感する事ができるサービスだと感じています。
関連した内容として以下のページを紹介しています。
関連:BingのAIチャットとChatGPT、それぞれの著作権や出典元の表記義務について調べてみた | ONE NOTES
現状はまだ、データベースに過ぎない
前提として「ChatGPT」を使ってみて改めて実感したのは、やはり現状はまだまだデータベースに過ぎない、といった感想に留まります。
文章の意図を読み取る能力には感動を覚えますが、やはり思考というものは持っている訳ではないのです。
勿論、自身の意思・言葉であるかのような文章で返ってはきますが。
Google検索も「質問と答え」といったアイテムを検索結果に含めています。
これはAIではありませんが、ユーザー体験という趣旨であれば、似たような機能でしょう。
未来の事について新しい見解や予想を得られる事はない時点で、人工知能ではなくデータベースの範疇ですね。
「ChatGPT」に記事を書かせて収益に繋げるみたいな内容のものもYouTubeなんかでみかけましたが、やっている事は他サイトから関連記事の情報を持ってきて継ぎはぎしただけのコピーコンテンツ生成と同じです。
AIが生成した文章やイラスト、画像なのか判別するAIも出てくる、いや、Googleなんかはもう対策として用意済みなのかもしれません。
自己責任ですが、もしAIが生成した記事などを公開する場合は、少なくともGoogle アドセンスには登録しない事をお勧めします。
コピーコンテンツという事がバレると永久バンされる可能性も十分にあります。
著作権の問題は解決しない
Google検索のそれも検索結果画面で完結してしまう形式になっていますが、その文章の引用元・情報元へのリンクを全てに含めています。
ですが「ChatGPT」の場合は、ネット上から集めた情報から、引用元の著作権を侵害しないレベルになるまで、切り貼りして文章の変更を加えた情報を提供する仕組みでは?
これは他のAI、「ChatGPT」のような「情報」に限らず「イラスト」「音楽」関連のAIなんかも同様ではないでしょうか。
少なくとも、一般に遊べる範囲のAIツールは、まだまだそのレベルなのだと判断しています。
イラスト系のAIなんかで生成されたものを見た限りでは、引用元の著作権を侵害しないレベルになるまでも改変?もできていない、といった印象です。
ネット上から集めた画像を切り貼り・加工して生成している時点で(法的にはクリアできても)この問題は解決しないように思えます。
同じようにネット上の情報を元に画像などを識別する認識系のAIは反感的な意識が芽生えにくく問題なさそうですね。
それでも、例えばニリンソウやヨモギとトリカブトの見分け方を提供してくれている情報者の許可なくデータベースに格納して、あたかもAIサービス側の能力として提供するのだから、提供者は複雑な心境になるのかもしれません。
ちなみに「ChatGPT」で楽曲の歌詞を聞いても、適当な歌詞、または全然違う名前の洋楽の翻訳を表示したりする事が多かったです。
まともに返ってきたのはビートルズくらいでした。
当然、歌詞についても引用元を表示する訳でもなく、正確に表示するようになっても引用元サイトは著作権料を払って記載しているハズですので、新たな問題を生みそうです。
AIによる作品の著作権や、それらが侵害する権利ことの扱いは、国際的なルールができてくるでしょうけど、イタチごっこになりそうですね。
簡単に嘘をつく
「ChatGPT」に限って言えば、データベースに持っていない情報について、近い単語から引っ張ってくるのか割と頻繁に適当な回答をするようなプログラムになっているようです。
例えば、試しに自分の名前について問いかけたところ、綿はB’zというバンドのボーカルで作詞・作曲を手掛けていて、俳優もやっているようでした。
時間を空けて再度、問いかけたところ、今は俳優ではなくなってしまったようです。
わからない、と返ってくる事もあります。
しかし、正確そうな情報でも、結構重要な部分が別の情報のデータだったりして信頼度はかなり低い。
今の検索エンジンの状況でも正確な情報を得られるとは限りませんが、こうも簡単に間違った情報が提供されるのであれば、物珍しさで触るのが終われば実用的には使えなさそうでもあります。
間違った情報を提供する事についてはAIだからで済まされるでしょうが、それではオモチャに過ぎないので今後に期待したいですね。
プログラムコード関連の提供は凄い
今後、記事として紹介するかもしれませんが、「ChatGPT」はプログラムコード関連の提供能力は相当高いです。
コードエディタに組み込んだりも可能となってきているようで、無駄なコードやミスの修正案まで得られるようです。
基本的には元は人が作ったソースコードをネット上から拾い集めデータベースに格納して、検索という形なのでしょうけど、修正案などはAIがコードの内容を解釈してエラーや問題を見つける能力があるという事でしょうか。
計算処理はやはりAIというかコンピューターの強みですね。
AIという言葉を頻繫に聞くようになった頃に、最初に仕事を奪われるのは私みたいな低レベルなコーダーなのでは?と不安になったものですが、いよいよ現実味を帯びてまいりました、、、、!
関連した内容として以下のページを紹介しています。
関連:BingのAIチャットとChatGPT、それぞれの著作権や出典元の表記義務について調べてみた | ONE NOTES
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