先物価格から燃料費調整額の見通しを考察(22年9月)
中部電力の従量電灯Bからスマートライフプラン(夜トク)に変更してスグに、スマートライフプラン(夜トク)は燃料費調整額の上限撤廃の対象料金メニューである事が発表されました。
これにより、早々にスマートライフプラン(夜トク)から従量電灯Bに戻す必要がある可能性が出てしまいましたので、判断材料となる今後の燃料費調整額の見通しについて考えてみます。
電力会社の燃料費調整額は2ヶ月先の料金まで確認できる
大手電力会社の燃料費調整額は2ヶ月先の料金まで確認する事が可能です。
燃料費調整額は該当月の5ヶ月前から3ヶ月間の「原油」「石炭」「天然ガス」の平均燃料単価から算出されています。
現在確認できる2022年10月分の燃料費調整額だと2022年5月、6月、7月分の平均燃料単価から計算されていることがわかります。
関連:中部電力の平均燃料単価と燃料費調整額の計算式と推移 | ONE NOTES
燃料費調整額の見通しを考察する
電力会社の仕入れ単価と先物価格がどこまでリンクしているのかは不明ですが、2022年10月分の燃料費調整額となっている「原油」「石炭」「天然ガス」の2022年5月、6月、7月分の価格と現在の価格差をチャートで確認していきます。
参考:経済指標 | JA | TRADINGECONOMICS.COM
原油価格チャート
過去一年分の原油価格チャートです。
※10月分の燃料費調整額に影響している5月、6月、7月の期間の色を変更しています
もっと広い期間でみても原油価格は少し落ち着いてきているように見えます。
少なくとも今後発表される11月分、12月分の燃料費調整額の原油の平均燃料単価は下がっていくのではないでしょうか。
天然ガス価格チャート
過去一年分の天然ガス価格チャートです。
※10月分の燃料費調整額に影響している5月、6月、7月の期間の色を変更しています
天然ガスはチャートを見る限り、おそらく11月分、12月分の燃料費調整額について上ブレする要因になるのではないでしょうか。
しかし、それまでの上昇幅より鈍化している感じはあります。
石炭価格チャート
過去一年分の石炭価格チャートです。
※10月分の燃料費調整額に影響している5月、6月、7月の期間の色を変更しています
石炭価格も、5月、6月、7月より、8月、9月期の方が上昇しているものと考えられます。
こちらも期間を広げてみても上昇幅は小さくなっているように見えますので、原油価格が下がっている事である程度は相殺できている可能性もあります。
燃料費調整額はまだ上がるか
9月中には11月分の燃料費調整額が公開されますので、正確にはそれ待ちですが、11月分、12月分は10月分より少し値上がりする程度と考察します。
中部電力の従量電灯Bに設けられている燃料費調整額の上限は5.36円です。
撤廃された燃料費調整額を料金で計算すると10月分は6.75円となっており、上限撤廃が発動する12月分は7.5円程度と考えると上限アリと2.2円ほどの差が生じます。
関連:中部電力の平均燃料単価と燃料費調整額の計算式と推移 | ONE NOTES
仮に月500kwは使うと考えると月あたり1,100円の電気料金の価格差となりそうです。
仮に従量電灯Bに戻したとしても、従量電灯などの上限が保証されている料金プランも、電力会社は国に上限撤廃できるように掛け合ってるの頃合いかなと予想すると、結局無意味になりそうな気もしてしまいます。
夜間電力が安いスマートライフプランでの電気料金削減高価と比較しながら、先々を考えていかなければですね。
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