夜間電力をバッテリーに蓄電するのはお得なのか

2022-10-01ソーラー発電,バッテリー

私の済む地域では中部電力の「スマートライフプラン」、東京電力でいうところの「夜トクプラン」などの夜間電力が安くなる電気料金プランがあります。

このプランを選択して、夜間電力をバッテリーに蓄電、昼間に使うといった手段があることは見聞きした事がありますが、最近の電気料金高騰とバッテリー(蓄電池)の性能アップ&コスパが良くなっているという話から、これは元が取れるのでは?と私も考えてみました。

私は独り身で昼間にも家に居るとい条件で考察していますが、家族構成や昼間は家に居ない場合は、また違ってくるかもしれません。

中部電力のスマートライフプラン
東京電力の夜トクプラン

中部電力と東京電力でも内容は結構違う

夜間電力プランは中部電力のの「スマートライフプラン」と、東京電力の「夜トクプラン」でも内容は結構違います。

中部電力は平日は3段階、38.71円の週末は「デイタイム」の時間帯がなく、28.52円となります。
また、画像にはありませんが、中部電力は基本料金として別途1,487.04円(2022年4月に値上げ)が必要です。

東京電力は2段階制で2つのコースが用意されており、夜の時間帯と昼の時間帯との差は中部電力よりは小さめです。
また、最低月額料金が235円と安いのもメリットになっているのでしょうか。

中部電力の「スマートライフプラン」はどうしてもデイタイム38.71円という凶暴な時間帯があり、昼の時間に家にいる場合は脅迫的に電気が使いにくい気持ちになりそうです。

昼間は居ないという条件であっても、冷蔵庫など絶対に止められない家電がある以上、怖いですね。

どちらのプランも、メリット・デメリットがありますが、改めて比較してみると東京電力の方が気楽に使えそうな気もします。

しかし、隣の芝生は青く見えるだけなのかもしれません。

夜間に充電、昼間に使うなら

私は考えました。

東京電力のプランが良さげに見えてしまいますが「夜間料金で充電、昼間に使う」という考えならば中部電力の「スマートライフプラン」の方が恩恵が大きいです。

電気料金も高騰している。
バッテリーの性能アップ、安くなっている。

もし、この方法を導入するのではあれば、それは今なのではないか、と。

中部電力のプランはバカ高いデイタイムがあるかわりにナイトタイムが16.30円という安さです。

この時間帯に蓄電池(バッテリー)に蓄電しておいて、昼間に使うことができれば、24時間16.30円で使えるなら多少の初期コストは必要だったとしても夢と希望しか感じません。

しかし、色々と懸念すべき問題がありました。

燃料費調整と再エネ賦課金は電気使用量で比例する

私は「夜間に蓄電、昼間に使う」というメリットを想像して、ひとしきり楽しんだあと、デメリットについても考えました。

おそらく殆どの人はまず、この問題を思い出して、一旦冷静になるのでしょう。

電気料金を気にしたことがある人ならご存知の通り、現在月々の電気料金を底上げしている「燃料費調整」「再エネ賦課金」は電気料金ではなく電気使用量で比例します。

要はどんなに夜間電力を蓄電して昼間にまわしても、電気の使用量自体は変わらず、「燃料費調整」「再エネ賦課金」が安くなる事はありません。

例えば、夜間16円とそれ以外は30円だった場合、約1.85倍と大きく違いますが、今日現在の「燃料費調整 5.06円/kWh(中部電力の場合)」「再エネ賦課金 3.36円/kWh」を加えてみると夜間24.42円と昼間38.42円は約1.57倍となりお得感も薄れてしまします。

昼間に稼働している家電をバッテリーで全て補うコストは高い

しかし、私は考えました。

「燃料費調整」「再エネ賦課金」の事はネックでありますが、それでも夜間電力の料金を昼間に使えるのは、やはりお得ではないのか、と。

そこで、昼間に動いている家電を全て、あるいは殆どを補えるだけのバッテリーの容量について調べていきました。

中部電力の「スマートライフプラン」ですと一日のうち14時間は夜間時間以外ですので、その部分の消費電力をバッテリーで補う必要があります。

簡単に考えるために12時間としても、一日の消費電力の半分を蓄電できるバッテリーを用意する必要があります。

私の場合、間近1年間の消費電力から一日あたりを算出すると平均17.04kw使っていました。

その半分と考えると、必要なバッテリーの容量は8.52kwになります。

今主流のリン酸鉄リチウムイオン系のバッテリーでも容量の20%は残しながら使うべきとされていますので、10kw以上の容量が必要になります。

国から補助金が出るレベルの高額なものは別としても、バッテリーと言ってもタイプが色々あり、必要なコストも違います。

「ポータブル電源の場合」「一定容量で組まれたバッテリーで構築する場合」「バッテリーセルから組んで構築する場合」とします。

それぞれ、国産・海外産と豊富にあり価格もピンキリではありますが、ポータブル電源というものは節約アイテムというより娯楽アイテムという感じです。

バッテリーセルから組むのが一番コストダウンかもしれませんが、素人には少しだけ遠い存在なのと、円安が影響してか、今日現在は組まれたセルからバッテリーと組む労力に見合った価格差はないと判断しました。

必要な工具も持っていて、手慣れた人なら良いのでしょうけどね。

LiFePO4バッテリーのセル
LiFePO4バッテリーのセル

ですので、今回は「一定容量で組まれたバッテリーで構築する場合」で計算してみます。

バッテリーの容量には良くAhという単位が使われていて把握しやすいと思いますのでそれを使います。

12v100Ah=約1.2kwとすると、12v100Ahなら8台分、12v800Ahで9.6kwになります。
必要なバッテリー容量はこんなところでしょうか。

※実用には12v800Ahではなく直列に繋いで24v400Ahとか、48v200Ahで使う必要がある可能性が高いと思います

出ているリン酸鉄リチウム(LiFePO4)のバッテリー製品で、割安な容量なのは多分12v200Ahです。
売れ筋の容量だから生産コスト的に安くなったのか、安くしているから売れ筋になっているのかは知りません。

12v200AhのLiFePO4バッテリーの場合は、4台必要になります。

ネットで注文できる最近のLiFePO4バッテリーの相場を「コスパ」「安かろう悪かろうのリスク」をギリギリまでコスパ寄りで探すと、おそらく12v200Ah(LiFePO4)のバッテリーは8万円台~10万円あたりになると思います。

それよりも安い製品もありますが、海外の猛者が配信している殻割り動画などを見る限り、ちょっと避けています。

よって必要な容量を満たすバッテリーは少なくとも80,000円×4台の「約32万円からのコスト」が必要になりそうです。

実際はバッテリー以外にも充電器やインバーター、配線(いずれも結構高い!)などで更にコストが必要になります。

また、通常の家庭の場合、昼間の時間帯の家電をまるまる動かすには、壁の中の配線切替えであったり、配電盤の向こう側に行く必要がありますので、必ず電気工事士さんとが必要です。

構築した機器の不具合、故障も考慮すると元の配電盤の経路に切り替える事ができるようにしておく必要もあります。

夜間料金で充電、それを昼間に使うことで、実際はどれだけ安くなるかわからない状態でこれだけのコストはかけれないと、私は判断しました。

仮に結構安くなったとしても、元を取るのにどれだけかかるのか、と。

夜間電力料金とそれ以外の時間帯の電力料金は1kwあたり12円差だったとして、一日約9kwで108円、一年で39,420円です。

これでは回収にはおそらく10年以上かかってしまいそうです。

14時間分で考えるべきなところを12時間に減らしたりと、全力で甘めに計算したつもりでしたが、残念ながら少々厳しい予想結果になってしまい、私はがっかりです。

半分の家電をバッテリーで補えば

しかし、私は考えました。

昼間動いている家電分の全てではなく、半分の家電をバッテリーで補えばどうだろうか、と。

半分の家電、素人でも手の届く範囲に収めれば、電気工事士さんを必要としませんし、必要なコストは全部を補おうとした場合の半分以下で済みそうです。

しかし、この考えはスグに結論が出てしまいます。

半分は夜間電力で蓄電した16.30円で使っても、残り半分が平均30円とかで動いていては、結局23.15円くらいになってしまします。

それだけなら他の料金プランと同じレベルでいけそうですが、コストをかけて同じでは微妙ですし、「燃料費調整」「再エネ賦課金」を加味するとマイナス域まで見えてきます。

これについては、私が昼間も家に居る事や家の環境が結果に悪い影響を与えていると考えられます。
また、洗濯や炊飯、料理などを昼間の時間帯にすることを避ける事ができるという事を考慮していません。

もし、昼間の時間帯は家には誰も居なくて、動いている家電が冷蔵庫とか、あとっはちょっとしたものくらいで済んでいるのならば、逆に全然良い計算結果になるのかもしれません。

その場合、そもそも上記のほどの容量のバッテリーは必要ないかもですのでコストも下げられます。

バッテリーに蓄電した電気は100%は使えない

しかし、私は考えました。

そうは言っても、一度希望を持つと人はなかなか諦められないものだな、と。

バッテリーに蓄電する電気は直流です。

コンセント(あるいは分電盤)から充電器を介して、交流の電気を直流に変換してバッテリーに蓄電、使う際にはインバーターで交流の電気に変換する必要があります。

この間に必ずロスが発生し、100蓄電してもそのまま100は使えない事になります。

これはバッテリーやインバーターの性能にもよりますし、これらの機器を選ぶ際の重要なポイントのひとつになっています。

ソーラー発電で補助金が出るレベルのパワコンと呼ばれるものは現在は変換効率95%以上になっている模様ですが、規格・仕様をちょいちょいごまかしてそうなメーカーのインバーターでも変換効率85%と書いてあります。

85%ならまだ許容範囲ですが、ごまかしてそうなのに90%や95%ではなく85%だと少々不安ですね。

そもそも変換効率の情報が記載されていないインバーターも少なくありません。

良さそうなものは一気に高くなりますし、高くても本当に良いものか予想するのも、なかなかに大変なアイテムのようです。

本当の変換効率は実際にその機器を使うまでわかりませんが、16.30円で蓄電しても、実際は18円とか19円とか、それくらいの価値になる事を前提に度計算しておく必要がありそうです。

夜間電力がお得なプランに変更して、バッテリーに蓄電する事に夢をみた私は、燃料費調整と再エネ賦課金、バッテリー導入のコスト、電気の変換効率、と色々考えた末、私は希望を絶望に変換しました。

ソーラー発電も導入すれば良いのでは

しかし、私は考えました。

「バッテリー」「インバーター」と揃えるのであれば、やはり考えるのがソーラー発電なのでは、と。

本当は、バッテリー、インバーター、ソーラーパネル本体以外にも必要なものがある事に、ここは目をつぶって考えます。

ソーラーパネルも大型小型問わず、以前よりずっと安くなっているようです。
これからは中古のソーラーパネルが市場に増えて、新品・中古ともに更に価格が下がってくる、気もします。

昼間に必要な電力はバッテリーに蓄電した夜間電力と合わせて、ソーラーパネルでの発電を使えば容量が足りない分を補えます。

バッテリーがあるのであれば、お試し程度のソーラーパネルの量から少しずつ導入して、様子を見つつ増やしていけば良いかもしれません。

ソーラーパネルで発電した分は、当然ですが燃料費調整と再エネ賦課金も必要ありません。

夜間料金と昼間料金の差額ではなく、例えば30円+燃料費調整と再エネ賦課金が発電分は完全にゼロになりますので大きいです。

もしかすると、必要な電力量より多く発電しちゃったりなんかして、ゆくゆくは「今日は夜間電力で充電しなくて良いじゃないですか!」って日も訪れずかもしれません。

バッテリーやソーラーパネルの費用をペイできるのか

しかし、私もそこまで馬鹿ではありません。

バッテリーから始まり、ソーラーパネルまで、様々なコストと電気代の削減を考えて何年でペイできるのか、素人ながらに何度も予想し計算しました。

機器に大きなトラブル、大きな追加費用が発生しない限りは、私としては満足いくペースではないですが、10年もみれば、いずれはコスト回収できるように感じました。

しかし、できれば5年とか6年なりで回収したいのです。

まずは、不要な電力消費を減らす事を考えるべきな気がしてきました。

勿論、十分な速さでペイできる人も多くいらっしゃると思います。
だけど、それは良いモノを選ぶ実力に加えて、地域や立地や建物や家族、現在の電気料金などの環境など人それぞれの条件になります。

私の場合、選択に迷うと、コスト優先で選んでいるのに微妙にちょっとだけ良いものを選んでしまうところとか、ステップアップしながらと考えて大きくコスト増とか。

色々と性格的にも予算的にも難しい部分がありそうだと判断しました。

エコとか環境問題とか災害対策とかではなく、普通にお得になるのなら始めたかっただけなので、少し残念ではあります。

しかし、私は思いました。

来年の今頃には、「別にお金の為じゃないですよぉ~。停電した時とか冷蔵庫が止まらないって素敵かな~って^^」とか言ってそうで悲しいです。

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